8月のIoMTニュースのダイジェスト: 蜘蛛の巣型UHF RFIDリーダー・アンテナ、IoTおよびヘルスケア・アプリケーション向け等。

1. Nature-inspired spider web shaped UHF RFID reader antenna for IoT and healthcare applications | Scientific Reports Nature Scientificより8月28日掲載記事から引用。

研究者らはこのほど、クモの巣にヒントを得たヘルスケア用のアンテナを発表した。このクモの巣型アンテナは、超高周波(UHF)読み取り、特に無線周波数識別(RFID)用に設計されている。8つのリング、5本のライン、そして電源に接続する1本のラインというユニークな構造になっている。この設計により、異なる角度からであっても、また無線周波数の範囲であっても、意図されたタグのみを確実に読み取ることができる。印象的なことに、薬の錠剤や血液バッグのような物品のタグさえも正確に検出することができ、ヘルスケアにおける様々な技術応用の可能性を示している。

 

2. IoT in the Healthcare Industry: Use Cases and Analysis, Mobile app dailyより8月11日掲載記事から引用。

IoT(モノのインターネット)は、ヘルスケア業界の状況を変えつつある。日常的な機器をオンラインで接続し、重要な健康データを収集・共有するための礎となりつつある。2019年から2027年にかけて、ヘルスケアにおけるIoTの影響力は飛躍的に拡大すると予想されている。医療におけるIoTのメリットは膨大である。Fitbitのようなデバイスは、医師の診察なしに心拍数や血圧をモニターできるようになった。医師は遠隔地からリアルタイムの患者データにアクセスできるため、遠隔地でも治療が可能になる。患者の記録はデジタルで保存され、利便性と安全性の両方が確保される。さらに、IoTはパンデミック対策や緊急通知、さらには高度な義肢の開発にも貢献している。医療ロボットのような技術革新も控えており、医療におけるIoTの将来は楽しみだ。

 

3. Preventative medicine for securing IoT tech in healthcare organizations Bleeping computerより8月9日掲載記事から引用。

医療業界ではIoTの統合が進む一方で、サイバーセキュリティ上の大きな課題にも直面している。デジタルプラットフォームの台頭により、特に2022年にはサイバー犯罪が増加している。インターネットに接続されたデバイスは、膨大な機密データを抱え、サイバー攻撃の格好の標的となっている。医療モノのインターネット(IoMT)は、リアルタイムの患者データを通じて診断や治療を支援する、そのようなIoT主導型技術の一つである。しかし、オンラインであるという性質上、脅威の影響を受けやすい。医療機関にとっては、こうした脆弱性を認識し、防御を強化することが不可欠だ。定期的なリスク評価を実施し、医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(HIPAA)などのガイドラインを遵守することが不可欠なステップとなる。IoMTへの依存度が高まるにつれ、厳密なサイバーセキュリティ対策の重視が一層重要になる。

クモの巣型アンテナのような革新的なデザイン、IoTの影響力の増大、サイバーセキュリティの差し迫った必要性が交差することで、医療にチャンスと課題の両方がもたらされる。

 

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